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■タイの伝統医学
タイは、インドと中国の間に位置する東南アジアの国です。
古代よりインドと中国を結ぶ海上輸送の経由所として栄えていたため、物流だけではなく、文化や医学などの交流も行われていました。そしてさまざまな文化が融合し、タイを語る上でかかせない仏教の教えを根底にすえ、出来上がったのがタイの伝統医学です。
その医学理論によると、人体は、精神と地、水、風、火の4つの要素で構成され、通常はこれらの要素がバランスよく保たれ、健康も保たれているといわれます。そのバランスが狂うと、病気を引き起こすのです。その原因は、年齢や季節の変わり目、生活習慣の乱れなどです。
タイでは、約半数の人が体調の悪いとき、病院や薬局に行くのと同じように、治療の目的でマッサージを受けに行くといいます。それは、タイのマッサージにそれだけの治療効果が得られるということを物語っています。

■生命エネルギーの通り道――セン・プラタン・シップ
人間の身体の中にある、生命エネルギーの通り道をタイ語で「セン・プラタン・シップ」と呼び、これは、ヨガの「ナーディー」に相当します。
このセン・プラタン・シップは、現代医学の解剖学上は存在していません。細かいものまで数えると約7万2千本ほどあるといわれていますが、代表的なものはそのうちの10本です。身体の表面ではなく、身体の奥を通っていると考えられており、さらにその上に、さまざまな症状に効果のあるつぼがあります。
タイ古式マッサージは、筋肉や関節をもみほぐすだけでなく、その10本のセン・プラタン・シップのラインに沿ってツボを操作していきます。すべてのラインは、皮膚からおよそ2センチメートルに位置し、全身に広がっています。そのラインを押していくと、その圧力が体内のエネルギーの流れを刺激し、直接的に器官や腺の病気を整え、体内の毒素を取り除く働きがあるのです。
つぼをかなり強く刺激する必要があるので、ときとして痛みを伴います。しかしそれは、後に体内エネルギーに新たに活力を与えるのです。
■タイ古式マッサージの効果
さまざまな病気が発生する前には、身体はまず、こりや骨の歪みという信号を出します。
タイ古式マッサージの、指圧、マッサージ、ストレッチなどは、こりをほぐしたり、身体の歪みを正し、頭痛、腰痛、肩こり、生理痛、生理不順、喘息、高血圧、冷え性、便秘、アレルギーなど数十種類の症状に治療効果があります。
また、病気を予防するためには、こりを感じたときにほぐし、早めに対処することが必要です。
もう一つの大きな特徴は、精神的リラックスの効果があることです。 タイのマッサージが相手との身体の密着度が高いのは、人間にとって触れられることが、とても重要なことだからです。誰かがマッサージしてくれるとき、自分のことを「大切で、価値あるもの」と認識できるきっかけとなります。それが、大きな安心感となり、精神的なリラックスをもたらすのです。 知れば知るほど奥が深く感じるのは、長い歴史の中で大切に育まれてきた証。 自分の身体や心と向き合いながら、タイの文化にもふれてみませんか。

